2025年12月、渋谷・円山町にオープンした新感覚のエンターテインメント空間「UTOPIA(ユートピア)」と「DYSTOPIA(ディストピア)」。

地下1階の「UTOPIA」は、深紅の装飾とアートな意匠に包まれたバースペースです。こちらには、TANNOYのペンダントスピーカー OCV 8 ×3台とサブウーハー VSX 10BP ×1台が導入されました。

OCV 8と VSX 10BP

UTOPIAは、非日常な雰囲気に浸れる社交の場であり、フォトジェニックな空間を目指して作られました。バーカウンターにはポールダンス用のポールが備え付けられ、奥にはバーレスクパフォーマンスのためのステージも用意されています。

このような空間では、どのような音響システムが求められるのでしょうか。UTOPIA / DYSTOPIAのマネジメントを行う金子 隼也氏と、同店の音響・照明を総合的にプロデュースするサウンドエンジニアの小机 暁氏にお話をうかがいました。

UTOPIAの店作りにおいて重要だった特徴的な内装デザインをより生かすため、音響機材には景観を邪魔しないことが求められました。また、DYSTOPIAのように踊りに没頭するのではなく、「会話を楽しみ、その延長線上に音楽がある」という空間設計がなされています。

システムを設計した小机氏は、当時の構想をこう語ります。「お店のコンセプトを考えたとき、一般的なクラブのようにDJブースからフロアに向けて放つ“方向性のある音”ではなく、空間全体に均一に音を届けたいと考えました」

縦長で天井が高いという空間特性、そしてダンサーたちのステージがあることを踏まえ、スピーカーは天吊り式を採用。製品選定の中で白羽の矢が立ったのが、TANNOYのペンダントスピーカー「OCV 8」でした。

「OCV 8を最初に見たときは『思ったより大きい』と感じましたが、実際に設置してみると高い天井のおかげで大きさは気にならなくなりました。一般的なペンダントスピーカーは円錐型が多いですが、OCV 8は円筒型です。スピーカーというよりもオブジェのように見え、インテリアとしても面白いと感じました」(小机氏)

システム構成としては、DJブースからの音をプロセッサーでマージモノ(モノラル合成)にし、パワーアンプから3台のOCV 8を駆動しています。

「スピーカーの間を歩くと、音のつながりがとてもきれいなことが分かります。これは同軸スピーカーならではの位相特性の良さでしょう。私は以前から、TANNOYの同軸スピーカーに対する設計思想が好きでした」と小机氏は評します。

左:DJブースに内蔵されたVSX 10BP 右:ダストカバーの奥に収納されている

サブウーハーには「VSX 10BP」が採用されました。「想像以上にしっかりとしたロー(低域)が出ています。OCV 8との組み合わせのため高めの周波数でクロスオーバーさせましたが、破綻することはありませんでした。チューニングもしやすく、困ることもありませんでしたね」と小机氏は続けます。

実際に運用されている金子氏も、その効果を実感しています。「ポールダンスのショーなどの時は、DJも盛り上がる選曲をしたり音量で抑揚をつけたりします。そういう時でも『どこから鳴っているのか分からない』という音の広がり方が気に入っています。音が主張しすぎないことで、ショーの最中でもお客様同士で会話ができるのです」


会話もお酒も、そしてショーも楽しめる。そんな魅力を持つUTOPIAにおいて、音が担う役割は重要かつ難しいものです。美しいインテリアにオブジェのように溶け込んだOCV 8とVSX 10BPは、その上質な空間づくりを陰で支えています。

UTOPIA / DYSTOPIA
〒150-0044 東京都渋谷区円山町4−6 QLINK渋谷神泉 B1F B2F

▼Web
https://www.udagawacafe.com/utopia-dystopia/

https://www.instagram.com/utopia_dystopia_shibuya/