特撮シリーズをはじめ、刑事ドラマや時代劇の劇場作品まで、多様な映像作品の制作を中心に、多角的なビジネスを展開している総合エンターテインメント企業の「東映株式会社」。
映像の企画・制作だけでなく、上映や放送、配信、さらに商品化やイベントなど様々な形で消費者に作品を届けています。

この度、同社の東京撮影所にある映画のミキシングなどがおこなわれる「ダビングステージ Dub2」のプロセッサーがLake LM26からLMX48に更新されました。

LM26から引き続きLakeプロセッサーを選択した理由や、導入前と比べて良くなった点などについて、東京撮影所でミキシング業務やシステム設計をおこなっている畠山 宗之氏にお話をうかがいました。

先駆けとなった「Dub1」へのLakeプロセッサー導入

同社に初めてLakeプロセッサーが導入されたのは、日本初のDolby Atmosに対応したスタジオとして2013年にオープンした「ダビングステージ Dub1(以下、Dub1)」でした。

「Dub1」には、メイン・チャンネル(L, C, R)の3chに加え、サブウーハー1ch、さらに天井を含む32chのサラウンド・チャンネルが配置され、合計36台のスピーカーで構成されています。「Dub1」のフロントのメイン・チャンネル(L, C, R)は、ハイ・ミッド・ローの3way構成、天井を含むサラウンド・チャンネルはハイ・ローの2way構成となっています。
Dolby Atmosの導入にあたっては、多チャンネルかつ多数のユニットを制御できるプロセッサーが必要とされましたが、クロスオーバー周波数の違いにより、IIRフィルタのままではフロントチャンネルからサラウンドチャンネルへ音が移行する際に位相干渉が生じ、音色が大きく変化してしまう懸念もあったといいます。

その際に、ダビングステージ全般の音響設計を担当している方から、「Lakeプロセッサーであれば直線位相のFIRフィルタを用いて、位相を変えることなく3way構成が可能」との提案を受けたことが、同社初のLakeプロセッサー LM26の導入に繋がりました。

LM26を導入した結果、位相干渉をコントロールできるようになり、理想的な音場を構築することができたと畠山氏は言います。Lakeシリーズはハードウェアの数に捕らわれず、Lake Controllerを用いて1つのシステムとして操作することができ、利便性が高い点もスタッフから好評だったそうです。
その後、「ダビングステージ Dub2(以下、Dub2)」にもコンソールのリプレイスをおこなうタイミングでLake LM26が導入されました。

今回のLMX48への更新について

東映東京撮影所 ダビングステージ Dub2

LM26が生産完了品となり、保守・メンテナンスが難しくなってきたこともあり、後続機であるLMX48に更新していただきました。

leke LMX48

Dub2に導入されたLake LMX48

引き続きLakeのプロセッサーを選択した決め手について、畠山氏は次のように語ります。

畠山氏「LM26から基板設計や使用部品が変わることで、音色にどう影響が出るのかという不安は多少ありました。しかし、音がさらに良くなっているとお勧めしていただいたこともあり、まずはDub2への導入を決めました。また、ダビングステージ全般の音響設計を担当していただいている方からも、東映の音響設計を考えると現時点ではLake以外に選択肢はない、という評価をいただいたことも後押しになりました。」

スムーズな移行と確かな音質向上を実感

東映株式会社 東京撮影所 スタジオ営業部ポスプロユニット マネージャー サウンドエンジニア 畠山 宗之氏

更新後の感想について、以前のLM26からの移行のスムーズさと、音質の向上を実感したと畠山氏は言います。

畠山氏「LM26の時と使用感がまったく変わらず、使用していたプリセットもLMX48へスムーズに移行できた点は非常にありがたかったです。導入前に懸念していた音の変化についても、悪い方向にはいかず、むしろ位相感がよりすっきりとした印象になったと私もスタッフも感じています。是非次はDub1にも導入したいと考えています。」

愛される「ものがたり」を全世界に──東映の挑戦は続く

最後に、東映株式会社の今後の展望をうかがいました。

畠山氏「弊社グループの使命である「愛される『ものがたり』を全世界に」というスローガンのもと、今後も独自IPをはじめ、さまざまな物語を世界に向けて発信していくことが東映の方針です。」


東映株式会社のダビングステージでは、Dolby Atmos導入時からLakeプロセッサーが音響システムの中核を担ってきました。

今後も、ダビングステージに求められる精度と信頼性を備えたプロセッサーとして、独自の作品を創出し続けている同社の制作現場を支えていくでしょう。

東映株式会社
https://www.toei.co.jp