M350
商品概要
デュアルエンジン・エフェクト/リバーブ・プロセッサー
◆ 24 bitプロセッシング/AD-DAコンバージョン
◆ 自動認識24 bit S/PDIFインプット
◆ デジタル・シグナル非検知時のアナログ・モード自動切替機能
◆ MIDI IN/OUT、MIDIクロック・テンポ・シンク
◆ 外部ペダルによるタップテンポ機能
◆ グローバル・バイパス機能
◆ 自動電圧認識の電源内蔵
イントロダクション
想像してください – 誰もいないホールの静けさを。コンクリートむき出しの地下室を。暖炉に火のある木造のロッジを。
「M350」デュアルエンジン・リバーブ/エフェクト・プロセッサーは、あなたのイメージする空間を「音」という形で再現します。
身を持って「音場」を知り尽くしたTC Electronicのエンジニアたちが新たに開発したM350のリバーブ・アルゴリズムは、空間残響ディテールの隅々に至るまで明確なアイデンティティを持たせ、現存するリバーブとは一線を画す透明感とアンビエンスで聴く者を圧倒します。
またディレイやフェイザーを始めとするTCの高品位レジェンダリー・エフェクトも豊富に備え、よりクリエイティブな空間創造を力強くサポートします。
M350の搭載する15種類のリバーブは、数々の名機を生み出してきたTC Electronicの開発スタッフによってM350用にデザイン、ファインチューニングされています。
付属のAU/VST対応ソフトウェア・エディターを使用することにより、DAWとのインテグレーションも可能。エディター上でM350の全パラメーターをリアルタイム・コントロールし、コンピューター・レコーディングの現場においても、その威力を余すところなく体験できます。
音で「見せる」空間創造 – それはM350で完成します。
搭載エフェクト
◆ Dynamic Delay : ダイナミック・ディレイはTC2290によって最初に紹介されたディレイ・タイプで、入力された信号の強弱をディレイの出力レベルに反映させることのできるディレイ・アルゴリズムです。楽器を演奏している(あるいは歌を歌っている)間はディレイの出力は抑えられ、入力が途切れると同時にディレイの出力が上がる、という効果が得られます。音源の背景はいつもクリアーで原音は干渉されず、フレーズの合間のみディレイで飾り付けることができます。今までは困難だった演奏パートのアレンジやソロフレーズを生み出すことができるでしょう。
◆ Triplets Delay : 2拍3連符のディレイを自動生成するこのモードは、ストレートなプレイを一瞬にして躍動感溢れるパーカッシブな演奏へと変化させます。
◆ Studio Delay : 供給された音源をクリアーに反復させることができます。このアルゴリズムでは、比較的高めのクロスオーバーで高域をカットします。
◆ Soft Delay : 原音に対してクリアかつソフトなディレイ音を生成するこのモードは、楽曲に甘いトーンを付加します。比較的高い位置でのクロスオーバーを採用し、絶妙なハイカットが得られます。
◆ PingPong Delay : 原音の位置はそのままに、ディレイ音のみを左右にパンニングします。特種効果を得たり、空間の幅をクリエイティブに演出することができます。
◆ Slapback Delay : スラップバック効果は、反復回数の少ない、非常に短いディレイのことを指します。「ダブリング」の様な効果を得られ、音の存在感を増す目的で使用できます。短い設定ではファンクギターのカッティングなどに使用できますし、多少長めの設定ではロカビリーの様なサウンドが得られます。
◆ Smooth Phaser : 12種類もの全帯域パス・フィルターを同時に駆動することにより、非常に洗練された、スムーズなフェイザー・サウンドを実現します。
◆ Vintage Phaser : 4種類の全帯域パス・フィルターを同時駆動し、芯のあるフェイザー・サウンドを実現。ドライ・シグナルとのミックス加減により、往年の名機で聴くことのできるあの独特なヴィンテージ・テイストを演出することが可能です。
◆ Lush Chorus : コーラスの中でもひときわ艶やかな効果を特徴とするLush Chorus。ジャズやファンクなどのスタイルの演奏をより一層エンハンスします。
◆ Soft Chorus : ナチュラルなコーラス効果にはこのモードが最適です。バラードやムーディーなジャズにちょっとした演出が欲しい時に効果てき面です。
◆ Inst. Flanger : コーラスとフランジャーは、それぞれに使われるディレイの長さやフィードバックの量で名称が変わり、エフェクトの原理は基本的には同じです。コーラスは通常ギターのクリーントーンなどを滑らかに聞かせるのに使われ、フランジャーはその効果の強さから特種効果を得るために使われることが多いです。SCFで実証済みのTCフランジャーの威力を存分に体験できます。
◆ Comp : 使い方によってオーディオ素材の様々な顔を引き出すコンプレッサー。逆に「素材を生かすも殺すもコンプレッサー」といわれるほど奥が深いのです。M350に搭載されているコンプレッション・アルゴリズムは素材に対してナチュラルかつプロフェッショナルにプロセッシングを行います。
◆ Hard Comp : 近年のドラムやパーカッションの素材で良く聴くことのできる「つぶした」音を、オーバー・コンプレッションすることなく、トーンを生かして再現します。
◆ De-Esser : ディエッサーは、音声に含まれる高い周波数(歯擦音)にのみ有効な、コンプレッサーの一種です。ボーカルの素材などでは「サ」行の音が強くなってしまい、歌詞を聞き取りにくくしてしまう場合があります。ディエッサーは、この特定の周波数の音量が大きい時に全体の音量を下げ、声の耳障りな成分をカットするのに有効です。
◆ Tremolo : ソフトで滑らかなトレモロ効果からアグレッシブな効果まで、幅広いバリエーションから選択可能です。
◆ TC Classic Hall : 温かみのある比較的長いリバーブ・ディレイにより、広めのホールをエミュレートします。オーディオ・ソースのキャラクターに忠実にプロセッシングを行うため、ヴォイス素材はもちろん、ライブやスタジオ用途等にも幅広く適用できます。
◆ Hall Acoustic : ディフージョン効果のある広めのホールをエミュレートします。このディフージョンにより、オーディオ素材に若干アコースティックな色づけを施します。ドラムやパーカッション等に最適です。
◆ Vocal Reverb : ヴォーカル素材用にオプチマイズされたリバーブです。木造のミディアムサイズの部屋で発声した時のような、ソフトでメローなトーンが付加されます。
◆ Live Vocal : 木造の大きめな部屋、もしくはライブハウスをエミュレートします。木材のリバーブ反射音は、柔らかく滑らかな質感をヴォーカルに与えます。ライブやスタジオで大きく、柔らかいリバーブを適用したい場合に最適です。
◆ Drum Ambience : 小さめの部屋をシミュレーションした非常に早い反射音で、ドラムやパーカッションに80’sのニュアンスを付加するのに最適です。スタジオ・レコーディングでもライブでも効果的に使用することが可能です。
◆ Drum Room : ドラムやパーカッション素材に対して最適なリバーブ処理を行います。ミディアムサイズの部屋をシミュレーションし、比較的長いリバーブが得られます。ソースの全帯域におけるスペクトラル・バランスを維持し、抜けの良い光沢とプレゼンスを付加します。
◆ Cathedral : 教会内のような、硬く、不規則な隆起のある表面をエミュレーションしたリバーブです。不均衡なディフュージョンを特徴とする大きめのリバーブが得られます。硬質な壁面による高密度の反射音は低域の色付けを行い、大聖堂さながらの残響音を生成します。
◆ Living Room : 名称通り、比較的小さい空間を想定しています。一般的なリビングルームは、壁紙や窓、テーブル等の表面による雑多な反射音と、音の吸収率が高いカーペットやソファーなどの素材の組み合せが、特有のリバーブ特性を形成しています。
◆ Gold Plate : デジタル世代以前のリバーブ機は、反響するスプリングか大きな鉄板を用いてリバーブの効果を生成していました。Gold Plateのその拡散的でブライトな音はパーカッシブな素材に最適です。
◆ Silver Plate : Gold Plateと同様、プレート・リバーブをエミュレーションします。Gold Plateに比べると、軽やかな効果が得られます。
◆ Spring Vintage : ビンテージのギターアンプなどに搭載されていたスプリング・リバーブをシミュレートします。レトロなギター・サウンドに最適です。
◆ Live Stage : ライブで埋もれない音を作り上げるには、粒子の粗いブライトなサウンドが好ましいことがあります。ミディアムから長めのディケイタイムでヴォーカルや楽器に仕様すると、埋もれることのない主張の強いサウンドを得られます。
◆ Ambience : 空間のサイズを決定づける初期反射音に重点を置いたデザインです。ドライな素材に部屋の空気感のみを足したい場合などに最適です。
◆ Damped Room : 吸音材を敷き詰めた小さな部屋をシミュレーションします。ほんのわずかなリバーブが欲しい時や、タイトかつ芯のあるリバーブ・サウンドが欲しい時に活躍します。
◆ Nearfield : タイトかつブライトで、目の前で弾けるようなリバーブ・サウンドを実現します。初期反射に比重を置いたリバーブです。
仕様
デジタル入出力
◆ 入出力端子 : RCA Phono(S/PDIF)
◆ サポート・フォーマット : S/PDIF(24ビット)、EIAJ CP-340、IEC 958
◆ サンプルレート : 44.1 kHz.(48 kHzのみ@デジタル入力時)
◆ 処理遅延 : 0.08 ms@48 kHz
◆ 周波数特性DIO : DC~23.9 kHz + /-0.01 dB @ 48 kHz
アナログ入力
◆ 入力端子 : 1/4インチPhone、モノセンス
◆ インピーダンス : バランス21 Ω / アンバランス13 kΩ
◆ 最大 / 最小入力レベル @ 0dBFS : +24 dBu / 0 dBu
◆ 最小入力レベル : -10 dBu
◆ センシティビティー : @ 12 dB ヘッドルーム : -12 dBu ~ +12 dBu
◆ A/D変換 : 24ビット128xオーバーサンプリング・ビットストリーム
◆ A/D遅延 : 0.70 ms / 0.65 ms @ 44.1 kHz / 48 kHz
◆ ダイナミックレンジ : typ < -92 dB、22 Hz~22 kHz
◆ THD : typ < -90 dB(0.0032 %)@1 kHz、-1 dBFS
◆ 周波数特性 : 10 Hz~20 kHz ; +0/-0.1 dB
◆ クロストーク : typ < -100 dB、20 Hz~20 kHz
アナログ出力
◆ 出力端子 : 1/4インチPhone
◆ インピーダンス : バランス40 Ω / アンバランス 20 Ω
◆ 最大出力レベル : +14 dBu
◆ フルスケール出力レンジ : -10 dBu~+22 dBu
◆ D/A変換 : 24ビット128xオーバーサンプリング・ビットストリーム
◆ D/A遅延 : 0.68 ms/0.63 ms@44.1 kHz/48 kHz
◆ ダイナミックレンジ : typ < -105 dB typ、22 Hz~22 kHz
◆ THD : typ < -97 dB(0.0014 %)@1 kHz、+13 dBu
◆ 周波数特性 : 10 Hz~20 kHz ; +0/-0.5 dB
◆ クロストーク : typ < -100 dB、20 Hz~20 kHz
その他仕様
◆ EMC : 準拠規格 EN 55103-1 and EN 55103-2
◆ 安全 : 準拠規格 IEC 65、EN 60065、UL6500 and CSA E60065 CSA FILE #LR108093
◆ 動作環境 : 動作温度 0°C~ 50°C
保管温度 -30°C~ 70°C
湿度 最大90%、結露なきこと
◆ コントロール・インターフェイス : MIDI In / Out 5 pin DIN, GPI, 外部ペダル1/4インチ Phone
◆ 仕上げ : アノダイズド・アルミ・フロントパネル、塗装スチール・シャーシ
◆ ディスプレイ : 2 x 7セグメント + LED
◆ 寸法 : 483 x 44 x 105.6 mm (1RU)
◆ 重量 : 1.5 kg
◆ 本線電圧 : 100 VAC, 50~60 Hz自動選択
◆ 消費電力 : < 15W