Renkus-Heinzが、トロント大学スカボロキャンパスの学生へ最高品質の音響を提供
カナダ トロント | 2025年9月 — 1964年に設立されたトロント大学スカボロキャンパスは、カナダでもトップクラスの大学の一つであり、長年にわたり、革新的で魅力的な高等教育のアプローチをする先駆者としての役割を果たしてきました。
同校は、学生が真に活躍できる環境を築くための新たな方法を模索することに誇りを持っており、近年建設された「Sam Ibrahim Building」はこの理念の中心的な存在となっています。広々とした5階建ての建物には、講堂、教員室、コラボレーションスペースなどが備わっています。この開発の中心となったのが、「Conveyor」、「Cave」、「Keystone」、「Collaboratorium」、「Cloud」、そして360度の座席配置を備えた看板施設「Arrow Group Innovation Hall」という6つの特徴的な講堂です。
個性的でモダンなデザイン空間には、すべてに共通する重要な音響課題がありました。教授たちの声を非常にクリアに、そして抜群に聞き取りやすくすることです。
この課題を解決するため、同大学はカナダを代表する音響製品の販売代理店であるContact Distribution Ltd.および、システムインテグレーターのGlobal Unified Solution Services社とパートナーシップを結びました。3社は協力して、各シアターに卓越した指向性と音の明瞭さを誇るUBXシリーズのパッシブステアリング・コラムおよびCシリーズのポイントソース・スピーカーを基盤とした、特注のRenkus-Heinzエコシステムを設計・導入しました。 建築設計を担当したCEBRAとZASは、感性を刺激し、包括的な学習を促す、感情に働きかけるような学習環境の創出を目指しました。
Contract Distributionのディレクター、Bill Coons氏は次のように述べています。「これらの教室は、学生の関心を惹きつけ、学習体験をより効果的かつ充実したものにするという点で、私がこれまで見てきたどの教室とも見た目も音響も劇的に異なります。」

講堂のレイアウト、設計および使用される素材は音の伝わり方や、受講者による音の認識のされ方に大きな影響を与えます。残響などの要因は、音声明瞭度に深刻な影響を及ぼす可能性があります。こうした心理音響上の特性を踏まえ、プロジェクトチームは、残響を大幅に低減し、音声明瞭度を低下させる数多くの音響問題を解決するための、最適な明瞭度で音声を届けるシステムを選定できたのです。階段状の座席配置や、角度や傾斜が異なる空間において、それぞれの独特な空間で100%の明瞭性を確保する方法を見出すことが求められました。
「最大の課題は、配線経路を含め、すでに設計が完了している部屋に対してソリューションを提供することでした」と、Global USSのシステムデザイナーを務めるJohn Busza氏は説明します。
「当社の施工チームは与えられた既存の空間に合わせて作業を進める必要があり、柔軟な対応が可能なRenkus-Heinzのソリューションはまさに最適でした」
「プロジェクトの初期段階にBusza氏と一緒に業界のイベントに参加した際、最も広い講堂で使用するスピーカーアレイでは十分なカバレッジが得られないのではないかという懸念を伝えました」と、トロント大学スカボロキャンパスの教室技術・映像サービス担当マネージャー、Blake Markle氏は説明します。
「これらの講堂は100~200席規模で、いずれも天井に角度がついた変形形状で、建材の都合上、天井埋込型やペンダント型スピーカーの設置は不可能です。使用できるのは、正面の壁に設置する2基のアレイのみでした」
「するとBusza氏は『私にまかせてください。Renkus-HeinzのUBX8アレイはコンパクトですがパワフルなんです。部屋全体を音でしっかり満たしてくれますし、一番上のドライバーユニットが後ろの席までちゃんと音を届けてくれますから』と言ってくれました。」
「施工が進み、部屋で実際に音を鳴らせる状態になったとき、彼の言葉が正しかったことを確認できて嬉しかったです。こちらの懸念に配慮し、大丈夫だという安心感を与えてくれた上で、それをしっかりと実行に移してくれるAVパートナーと仕事ができるのは素晴らしいことです。適切な機器選定は、それを実現するための手段の一つです」
5つある講堂のうち4つにはそれぞれ2台ずつUBX8スピーカーが設置され、5つ目の講堂には4台が採用されました。これらの指向性固定型パッシブ・コラムスピーカーは、正確なカバレッジ、明瞭度、そして卓越した音質を実現します。Arrow Group Innovation Hallには、広い指向角、回転可能なホーンによる柔軟性、そして声域に適したサブウーハーのサイズであることを理由に、30台のCX61スピーカーが採用されました。
「Renkus-Heinzの定評ある音声の明瞭性は、学校での音響提供において常に念頭に置くべき要素です。学生たちは授業内容をクリアに聞き取る必要があるからです」とBusza氏は語ります。

講堂ごとに階段状の座席配置が異なっていたため、カバーエリアのモデリングが容易な部屋もあれば、スピーカー配置やチルト調整がより細かく必要になる部屋もありました。UBX8スピーカーのPassive UniBeamテクノロジーは、一貫したカバレッジの実現に貢献しています。スピーカーはデュアルプロジェクションスクリーンの両側に設置され、120度の水平指向角により、最前列から数列目の中央付近まで音を届けています。さらに、UBX8の精密で非対称な垂直指向性制御も、段状のレイアウトにおいて有効に機能し、すべての座席でクリアな音声を確保しました。
特に設置が難しかったある部屋では、EASE Focusによるシミュレーション結果と照らし合わせると、配線引出し位置がインテグレーターの想定よりも低い場所になっていました。しかも、配線の壁面処理を露出させないためにスピーカーの下部で隠すことが優先されました。その結果、スピーカーが本来必要な位置よりも大幅に低い場所に設置されることになりました」とBusza氏は振り返ります。
「Contact Distribution社と協議の上、1組目のペアの上にもう1組のUBX8を設置し、垂直指向性のダウンチルトが上向きになるよう180度回転させて設置することにしました。結果としてアレイが長くなり、後方列へのクリアな音響カバレッジが実現しました」
看板施設である「Arrow Group Innovation Hall」は、360度取り囲むようなユニークな座席配置を採用しているため、同様のプロフェッショナルな音質を提供できる音響ソリューションが必要とされました。
「六角形の室内には6列で構成された座席エリアが6つあり、講義は『センターステージ形式』で行われます」とBusza氏は説明します。「各エリアの上部にある6面の傾斜壁には、大型の直視型LEDディスプレイが設置されています。講義が行われる中央部は天井が高く開放的な空間になっており、座席の最前列から2列目まではこの広い空間に面していますが、残りの座席は低くなった天井の下に配置されています。」

「この部屋のレイアウトでは、スピーカーを吊り下げて配置すると、ディスプレイへの視界を遮る上、後方の座席まで音が届かなくなってしまいます」とBusza氏は続けます。「そこで、中央の周縁に沿ったバルクヘッドの下部にポイントソース・スピーカーを壁掛け設置する判断を下しました。各バルクヘッドに5台ずつスピーカーを配置し、そのうち3台を座席後方に、2台を座席前方に向けました」
Global USS社は、水平150度・垂直60度の指向角を持ち、そのコンパクトな形状が限られたスペースに適していることからCX61スピーカーを採用しました。
「座席前方のエリアには背後から音が届く形になりました。この空間において他に現実的な解決策はありませんでした」とBusza氏は語ります。「しかし、Renkus-Heinzの定評のある卓越した音響性能により、高い言語明瞭度を確保することができました」
Sam Ibrahim Buildingにある6つの講堂は、不要な残響に邪魔されることなく、極めてクリアな音声で講義を行える環境が整いました。トロント大学スカボロキャンパスは、妥協のない音響を基盤とすることで、教育環境の新たなスタンダードを確立しています。Renkus-Heinzの「UBX8」および「CX61」スピーカーは、学生が教授の一言一言をしっかり聴き取り、講義への集中を維持するために必要な精度の高さと明瞭度を提供します。教授陣も、自らのプレゼンテーションが学生にしっかりと伝わるという確信を持つことができます。
「私はこれまで何年にもわたり、トロント大学の複数のプロジェクトで仕事をしてきました。Blake Markle氏との仕事はいつも素晴らしかったです」とBusza氏は振り返ります。
「施工や現場環境、設計上のあらゆるハードルを共に乗り越え、大学側にご満足いただけるシステムを納品できたことは大きな成果でした」



本記事はRenkus-Heinz Case Studiesから転載しています。
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