2024年10月22日クリーブランド(オハイオ州)| 2024年10月

1985年に設立されたHilarities 4th Street Theatreは、オハイオ州屈指のコメディクラブです。クリーブランドのダウンタウンにあるエンターテインメントの中心地に位置し、カクテルバー、VIPスペース、「Pickwick The Restaurant」といった施設を備えています。このレストランは185席を有し、素朴なアメリカ料理を専門としています。Hilaritiesは、米国最大級のコメディ会場の一つであり、世界的な一流コメディアンのラインナップだけでなく、Renkus-Heinzの印象的なサウンドシステムによる忘れられない夜を提供します。

収容人数400人を誇り、複数の内部会場を備えるHilaritiesは、20年ぶりに信頼性の高い音響システムの導入を決定しました。同クラブのオーナーであるNick Kostis氏は、完全なシステムオーバーホールを依頼するため、統合システムプロバイダーである『NPi Audio Visual Solutions』に連絡しました。本プロジェクトは「Frolic Cabaret バースペース」「Hilaritiesメインステージ」「Martini バースペース」の3つのエリアに分けて進められ、NPiはRenkus-HeinzのIC Live Xモデル、IC8ラインアレイ、Cシリーズのポイントソーススピーカーを採用しました。

「私はキャリアの中で数多くのプロジェクトで Renkus-Heinzを使用してきましたし 、NPiに在籍した過去7年間でも導入を続けています。」と、NPiのシステムオペレーションマネージャーであるJames Wise氏は語ります。「Renkus-Heinzは一度も期待を裏切ったことがありません。Hilaritiesには、フルレンジのオーディオと、特にボーカルを際立たせる音響が求められていました。なぜなら、彼らのショーの90%はスピーチが中心だからです。メインルームの音響設計は非常に難しく、ビームステアリング技術が大いに役立ちました。他の企業も同様の技術を開発しようとしていますが、Renkus-Heinzには独自のノウハウがあり、それは他社製品を凌駕しています。」

この建物は築約200年の歴史を持つため、スピーカー設置にも慎重さが求められました。メインステージには、Dante対応のIC Live Xモデルを採用。スピーカーは会場の地上階とバルコニーに設置され、コメディアンのパフォーマンスやショーの音楽演出においてフルレンジのサウンドを実現しました。「バルコニー席が常に満席とは限らないため、不要なときには上部のスピーカーをオフにし、室内での反響を最小限に抑えられるようにしました。」とWise氏は説明します。

「Frolic CabaretルームにはIC8ボックスとSA112サブウーファーを設置しました。この空間ではコメディショーのほか、Hilaritiesが半年間開催する『ミステリーディナーシアター』も上演されます。俳優の声やBGM、効果音をカバーするために、20Hzから20kHzまでの幅広い音域を均一に届けることが重要でした。」

Martini Barは、他のエリアとは独立したVIP専用の空間でライブパフォーマンスが行われるため、NPiはRenkus-HeinzのCX82を導入しました。このモデルは高品質なフルレンジオーディオを提供し、より小規模なスペースに最適な音響環境を実現します。

さらに、NPiは建物全体にAV制御システムを導入し、AV-over-IPソリューションも組み込みました。音響、映像、舞台照明、各会場の個別制御は、QSC QSYS Core110FV2で一括管理されています。この設計により、それぞれの空間が独立した会場として機能するだけでなく、一体化したクラブとしても運営できるようになりました。そして、Hilaritiesでは技術的な制約なしに結婚式やパーティーなどの大規模イベントを開催できるようになり、新たなビジネスチャンスが生まれています。

毎日異なる公演が行われるHilaritiesでは、新しいRenkus-Heinzのサウンドシステムにより、キャバレーディナーから世界トップレベルのコメディショーまで、シームレスなオーディオ体験を提供できるようになりました。業界最先端のビームステアリング技術とポイントソース技術により、どの座席でもクリアで一貫したサウンドが楽しめます。

「NickはHilaritiesを世界的に有名なクラブにしたいと考えていました。そのためには、他のクラブとの差別化が必要でした」とWise氏は締めくくります。「今後、ビデオウォールや建築照明の導入など、さらなる改善が進められていますが、すでにRenkus-Heinzのシステムによって、他のコメディクラブを凌駕する最先端の音響体験を提供できるようになりました。Hilaritiesのプロジェクトは非常に楽しく、実現する過程を見届けるのは大きな喜びでした。2023年7月から数多くの会議と設計変更を経て、約1年後に完成したこのサウンドシステムは、期待を超えるものとなりました。」

Technical information

4 x Renkus-Heinz ICLX
2 x Renkus-Heinz ICLX-118S
3 x Renkus-Heinz CX41
2 x Renkus-Heinz IC8
1 x Renkus-Heinz SA112
2 x Renkus-Heinz CA62
2 x Renkus-Heinz CX82

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