TANNOY QFlex「聴きやすく」「内容が理解できる」を実現するDSP内蔵パワード・コラム・アレイ・スピーカー
会議室や講演会場で「発言者の声が聴きづらい」「何を言っているか分からない」ということがあります。また 駅や空港でアナウンスがよく聴こえず「理解できない」というのもよくある話です。これらは反響と残響が原因となっているのですが、このような状況の中で「聴きやすく」「内容が理解できる」を目的としたスピーカーがDSP内蔵のパワード・コラム・アレイ・スピーカー”QFlexシリーズ”です。
目次
QFlexシリーズ
QFlexは反響と残響がある空間でオーディエンスに届く直接音の比率を最大に引き上げ、天井や壁からの不要な反射音を抑えることで、よく聴こえ内容が理解しやすくなるスピーカーです。
本体はとてもスリムでコンパクトなデザインです。建物の構造上、スピーカーの取り付け位置としては条件的に困難な場所に設置した場合でもその性能を十分に発揮することができます。
QFlexはスピーカーユニットごとにパワーアンプとDSPを搭載し、1つまたは複数の音響エネルギービームをあらかじめ設定したオーディエンス・エリアに届けることができます。このビームは専用ソフトウェア ”Beam Engine(ビームエンジン)” で設定します。
Beam Engine
Beam Engineは音をビームのようにコントロールすることができるQFlex専用のソフトウェアです。
Beam Engineでオーディエンス・エリアを正確にカバーできるビーム・ステアリング・アルゴリズムを生成することで、あらかじめ設定したオーディエンス・エリアに対して直接音の比率が高い音を提供することが可能となります。反響と残響が抑えられた音は聴きやすく、オーディエンスは内容が理解しやすくなるという仕組みです。
特徴
- コンパクトな本体設計
- 近距離用から遠距離用まで豊富な製品ラインナップ
- QFlex内の個々のスピーカーにDSPとパワーアンプを搭載
- アナログ入力信号はAとBの2系統。例えば通常の館内放送をA、防災放送をBにして切り替えることが可能
- ビームを2パターンまで記憶することが可能
- アナログの他、AESとDanteTMにも対応(別売の機器が必要)
- 容易な操作でシミュレーションが作成可能
- 任意の時間設定でスタンバイモードに(解除可能)
- 防塵防滴モデルもラインナップ(IP54)
コラム:聴きやすさの指標
聴きやすい/聴きにくい とはどのように判断するのでしょうか。個人の体験を基準に判断するというのも一つの方法ですが、それでは個人差によって判断があいまいになってしまいます。
そこで用いられるのが、聴きやすい/聴きにくい を客観的に表す数値”STI(Speech Transmission Index)”です。
STIは『残響と反響の中で耳に届く音が元の音とどれくらい似ているか』を測り指標化したものです。STIは”音声伝送指数”と言われ、音声伝送の品質の尺度と考えることができます。
STIの概要については割愛しますが、STI値は0~1の間で表わされ、反射音などの余分な音が多く含まれていると0に近づき、余分な音が少ない場合は1に近づきます。数値が1に近いほど明瞭度が高い(良い)と評価になります(通常STIの理想値は0.6以上とされています)。
STI値を上げるためには
①吸音材や遮音材を使用し反射音を抑える
②聴衆者の耳にできるだけ音源を近づけ直接音を増やす
③指向性が鋭く遠達性の高いスピーカーを使い耳に届く直接音を増やす
などの方法が定義されています。
QFlexはBeam Engineによる制御により直接音の比率の高い音をオーディエンスに届けるという方法によって STI値 0.6以上を示すことができます。これはQFlexが「聴きやすく」「内容が理解できる」音によって、最適なオーディエンス・エリアを提供できることを証明しています。