前回の記事「ワイヤレスインカムの周波数帯の選び方」ではLaON Technology(ラオンテクノロジー)のワイヤレスインターカムシステムで使われている5GHz帯が混信や途切れに強い理由を紹介しました。

今回はLaON Technology製品の持つ特徴的な機能である「高音質」「低遅延」「マスターベルトパックモード」「リモートベースステーションによるカバーエリアの追加」をピックアップして紹介します。

高音質

自由に動き回りながらコミュニケーションをとれるのがワイヤレスインカムの最大の特徴ですが、音質が大きく低下すると誰が話しているか聞き分けることができず、イベントや収録などの現場では大きな支障となってしまいます。



LaON Technologyのワイヤレスインカムの音声は周波数特性が200-7.2kHzと広く、また非圧縮のため、コミュニケーションに参加している人の声をはっきりと聞き分けることができます。

低遅延

デジタルインカムはアナログ方式のインカムと比較すると高性能であることがほとんどですが、その特性上、遅延(レイテンシ)が発生します。

遅延が大きいインカムは指示を出してから受け取るまでにズレが出てしまうため、タイミングが重要な現場では進行に大きな影響が出てしまいます。

LaON Technologyのワイヤレスインカムは、インカム(ヘッドセット)を装着したまま近くのスタッフと直接会話をしても違和感がないほどの低遅延を実現しているため、 タイミングが重要な現場でもお使いいただけます。

マスターベルトパックモード

通常、ワイヤレスインカムは親機と子機がなければ運用することはできないため、小規模な現場でも機材が増えてしまいがちですが、LaON Technologyのワイヤレスベルトパック(子機)は自身が親機になる機能を持っています。

同じベースステーション(親機)にペアリング(登録)されたベルトパック同士であればベースステーションがない場所でもコミュニケーションが可能です。

普段は固定設備のベースステーションとセットで運用しているベルトパックをマスターベルトパックモードに切り替えることで、少人数のクルーによる中継放送やイベントの現場などに適したモバイルコミュニケーションツールとして活用することができます。

また、LaON Technologyのシステムは全てのモデルで最大128台のワイヤレスベルトパック(子機)での同時リッスン(受話)が可能です。

マスターベルトパックモード時もシステム全体で多数のベルトパックを運用することができるため、様々な現場に対応します。

また、弊社オプションのアダプターでマスターベルトパックと携帯電話を接続することで、電話回線による社屋からの指示を中継先のスタッフ全員へ伝えることができるようになります。詳しくはこちら

リモートベースステーションによるカバーエリアの追加

LaON Technologyのワイヤレスインカムで使われている5GHz帯は割り当てられている周波数範囲が広いため、同時に使える通信チャンネルも多いという特徴を持ちますが、周波数が高く波長が短いため壁などの障害物に遮られやすいという性質があります。このような5GHz帯の性質を補うのがリモートベースステーション(RBS)です。

LaON Technologyのワイヤレスインカムはリモートベースステーションを接続してカバーエリアを追加できるモデルをラインナップしています(LT750 System, GENIE System)。

電波が届きにくい場所の他、フロアや部屋ごとに適切にリモートベースステーションを配置することで、より広いエリアでの運用が可能になります。



ベルトパックはカバーエリア間を移動する際、ハンドオフ機能により接続するリモートベースステーションを自動的に切り替えます。