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テクノロジー
2021/09/03

TANNOY テクノロジー解説。今なお進化を続ける信頼のスペックを紐解く

Keigo Tomita
ブログ

1926年の創業依頼、進化を止めることのないTANNOYの製品群。そこで培われたテクノロジーは世界中の固定設備マーケットやSRマーケットから高い評価を受けています。

特許取得なども数多くあるテクノロジーの中からTANNOY製品が誇る6つのテクノロジーとその仕組みを解説します。

TANNOYをより深く知るきっかけに。製品選びのための事前学習にお役立てください。

Dual Concentric DriverTM Technology

TANNOY社デュアル・コンセントリック・ドライバー(同軸ドライバー) テクノロジー

デュアル・コンセントリック・ドライバーは水平方向と垂直方向で均一な音の放射を実現し軸外でも卓越した性能を発揮します。

TANNOY社は最初の真のポイント・ソース(点音源)・トランスデューサーである”デュアル・コンセントリック・ドライバー”を開発したことで有名です。

1947年に開発されたこの技術は、新しい材料、製造方法、継続した研究結果を活用し、数十年にわたって絶え間ない進化と改良を続けてきました。

この技術の最新版は商業用設備向けからSRアプリケーション用途まで幅広いTANNOY社製品に採用されています。

デュアル・コンセントリック・ドライバーは通常のドライブユニットとは異なり、2つのドライバーが物理的に1つに統合されているのが特徴です。高域ユニットは、低域ドライバーの背面に配置されているため同じ軸上にあります。

音響エネルギーは、まったく同じポイント(低域ドライバーの中心)から伝播されます(これが真のポイント・ソースと呼ばれる所以です)。これによりデュアル・コンセントリック・ドライバーは水平方向と垂直方向で均一な球状のウェーブフロントを実現し卓越した軸外パフォーマンスを提供します。

ディスクリート・ドライバー・スピーカー・システム(非同軸音源)には、各ドライブユニットが独自の音源であるという本質的な設計上の欠陥があります。それぞれのドライブユニットが再生する低域と高域の音源はずれており、特定の1つのリスニングポイントでのみコヒーレントになります。ドライバーのアライメント(位置合わせ)を補正するためにディレイを使用する場合、1つの軸上の狭いリスニングポイントにのみアライメントできますが調整可能なホーンを備えたシステムでさえ、クロスオーバー領域で重大な「サックアウト(急激な減衰)」に悩まされており、DSPではこの現象を修正することはできません。デュアル・コンセントリック・ドライバーが持つ一定の指向性特性はこのようなタイムアラインメントの問題を克服します。



●Dual Concentric DriverTM Technologyを採用している製品
VXシリーズとVXPシリーズの全て


第三世代目のデュアル・コンセントリック・ドライバー

TANNOY社のCMS3.0シリーズ、AMSシリーズのDCモデルに搭載されているのは第三世代目のデュアル・コンセントリック・ドライバーです。



上図の右が第三世代目のデュアル・コンセントリック・ドライバーです。
新たに2つのテクノロジーを開発しました。

・OmnimagnetTM
一つのマグネットで低域、高域を共有することでタイムアライメントとコヒーレント(位相が揃う状態)を向上させることができ、さらに従来のデュアル・コンセントリック・ドライバーより薄く設計することができました。

・Torus Ogive WaveguideTM



新しいフェーズプラグ(赤い部分)は高周波数の音波を乱さないように拡散させる効果があります。



また、フレア型のウェーブガイド(赤い部分)は低域と高域のバランスを保ちながら(位相を揃えながら)効率良く急速に波面を拡散することができます。

●第三世代目のデュアル・コンセントリック・ドライバーを採用している製品
AMS5DC , AMS6DC , AMS8DC
CMS403DCe , CMS503DC , CMS503DCLP , CMS603DC , CMS803DC , CMS803DCQ


TANNOY ICT DriverTM Technology



ICTドライバーは、クロスオーバーを必要とせず、酷使しても燃損しないワイヤレス電磁ツィーターを使用しています。

ジェラルミン・ドーム・ツイーターはウーファーの中心に埋め込まれており、ウーファーのボイスコイル内で発生する磁場に電磁誘導されて発音するためウーファーが故障しない限りツィーターが鳴り続けます。このドライブユニットは、BGMやPAシステムで最も多く発生する2つの部品、(ツィーターとクロスオーバー)の故障に対応しています。さらに同軸上にミッドベース、ツイーターを配置した構成になっておりワイドなカバレッジを保証し、抜群の定位感と心地よいサウンドを提供します。

●TANNOY ICT DriverTM Technologyを採用している製品
CMS ICTモデル , AMS ICTモデル 


Q-Centric



Q-Centric Waveguideはデュアル・コンセントリック・ドライバーのポイント・ソース(点音源)の性能を生かし、さらによりタイトな水平、垂直方向のパターンを得ることができます。

水平75°x垂直40°のパターンはよりフォーカスしたカバーエリアを対象とすることができ、ドライバーを90°回転させることにより水平、垂直方向のパターンを水平40°x垂直75°に変更することができます。このQ-Centric WaveguideはVXシリーズの一部製品(-Qモデル)に搭載されています。

●Q-Centricを採用している製品
VX12Q , VX12.2Q , VX15Q , VX12Q , VXP12.2Q


FAST



Focused Asymmetrical Shaping Technology(FAST)は垂直軸の下方向にカバーエリアを拡張する非対称垂直拡散技術です。

VLSシリーズの音響シミュレーション例(VLS30 : 垂直指向角度 +3°~ -11°)
Focused Asymmetrical Shaping Technology(FAST / 非対称垂直拡散技術)による放射角度

新しいパッシブ・クロスオーバー・ネットワーク設計とQFlexシリーズで採用したトランスデューサー技術を組み合わせることによりこれまで見られなかった音響特性を実現しています。コラム型スピーカーは明瞭度が損なわれる天井などの反射面からは遠ざけ、オーディエンスに向けて垂直方向に傾ける必要があります。

FASTは「パッシブ・フィックスド・ステアリング」を採用することによりスピーカーの設置角度等を特に心配することなく迅速で簡単にスピーカーを設置することができます。 このFASTはVLSシリーズの一部製品に搭載されています。

●FASTを採用している製品
VLS7 , VLS15 , VLS30


Beam Engine



Beam EngineはQFlexシリーズの専用ソフトウェアです。オーディエンス・エリアを正確にカバーするためのビームステアリング・アルゴリズムを生成します。

直感的なBeam Engine GUIは、システム設計者がターゲット・エリアを指定し、そのエリアを最適にカバーするためのステアリング・アルゴリズムを生成することができます。 Beam Engineは、オーディエンス・エリアの断面図と、QFlexの位置とステアリングの角度をグラフィカルに表します。

生成されたステアリング・アルゴリズムを一旦保存し、もう一つのソフトウェアVNET (Podware)とインターフェイス(別売)を介してQFlexのDSPにロードします。

また、厳密で包括的な音響シミュレーションを行う場合は、バルーンDLLをエクスポートして、EASEやCATT Acousticの音響モデリング・ソフトウェア・プログラムで利用することができます。

●Beam Engineを採用している製品
QFlexシリーズ全て



TANNOY製品一覧
https://beetech-inc.com/brand/products/index.php/search?cell003=TANNOY&label=1

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