オレゴン州セーラムにあるウィラメット大学(Willamette University)は1842年に設立された米国西部で最も古い歴史を持つ大学です。ウィラメット大学では、文系・理系の学部、そしてビジネスと法律の大学院があり、約2200人の学生が在籍しています。

2020年、コロナウィルスによるパンデミックが発生した際、ウィラメット大学はオンラインや遠隔地での授業の拡張・改善する方法を探しました。同校の法学部にある120席のPaulus Lecture Hallでは、より良い遠隔講義と限られた対面での講義やディスカッションを促進するため、音響システムのアップグレードが必要でした。ウィラメット大学のオーディオ・ビデオ・スペシャリストであるカイル・ハウス氏は、オレゴン州セーラムにあるCascade Soundと協力して、講義ホールのサウンドシステムをRenkus-Heinzのパワフルなラウドスピーカーでアップグレードすることに成功しました。

ハウス氏は次のようにコメントしました。

「新しいシステムを導入する前は、スクリーンの上のアルコーブ(壁のくぼみ)に設置された台形ボックススピーカーを使用していました。音の反射やハウリング、明瞭度の低さなど、さまざまな問題がありました」
「対面している学生とZoomで受講している学生が同じような環境で授業を受けられるようにする必要がありました。そのためには、マイクアレイが適切に機能して、全員の声が聞こえるような、高品質で高い精度で制御されたオーディオソリューションが必要でした」

そして、ハウス氏とCascade Soundチームは、ICONYX Compact ICC12/3を選択しました。

ICC12/3はICONYXアレイの品質と柔軟性を備えつつ、設置面積を40%軽減した製品です。3インチフルレンジ高感度ドライバーを12個もつICC12/3は各チャンネルにデジタルアンプとDSPシステムを搭載して出力します。ICONYX Compactシリーズは、RHAON IIとRenkus-Heinz社独自のビームステアリングの演算とシミュレーションプログラムであるBeamwareの全機能を利用できるモデルです。

「このスピーカーを選んだのは、部屋のどこに音を配置するかを自由にコントロールできるソリューションが必要だったからです。この部屋は、スタジアムスタイルの客席に加え、扇形に配置された非常に難しい部屋です」とハウス氏は言います。「高低差があり、反射率の高い面やパラボラアンテナも多いため、音が部屋の前方に反射してしまいます。そのためラベリアマイクは、この部屋では使用することができませんでした」

ICC12/3は、従来のICONYXアレイでは大きすぎるスペースに、ICONYXのパフォーマンスと指向性をもたらします。ICC12/3の高い垂直指向性により、建築的に限られたスペースでの設置を要求されても適切な音響環境を届けることができました。

「RHAONソフトウェアを使って、様々なステアリングローブを空間に設定したところ、非常に早く設定できました。高い明瞭度と素晴らしいカバレージを、本当に素早く手に入れることができました」とハウス氏は語ります。更に「スピーカーとマイクをDanteで統合できることは大きなメリットでした。Audinate社のデバイスを統合して、部屋中の様々な場所に音声を送ることができました。このシステム全体をシームレスに動作させるために、非常に有益で役立ちました」

薄型デザインであるRenkus-Heinz Iconyxコンパクトスピーカーは、空間の美観にマッチし、講義室の美しい木製の壁面に直接組み込むことができました。

「製品導入後は教授がラベリアマイクを使用しても、部屋自体のハウリングを心配する必要がなくなりました。空間に入力される音声が適切に制御されているため、遠隔地から受講する学生にも明瞭に聞き取ることができるようになりました」

「音の反射が多いホールや音響的に困難な環境、更には美観(景観)を求める人には、Renkus-Heinzを勧めたいと思います」とハウス氏は付け加えます。「音響的に設定が難しい環境で反射面ではなく必要な場所にだけ音を出すことが極めて重要な場合、このスピーカーは絶対に必要なものです。また、高い明瞭度が本当に重要である場合にはいつでも優れたソリューションとなります」