【Lake Technology】LimiterMax
Keigo Tomita
LimiterMaxDolby Lake Processor Live Sound White Paper
LimiterMaxTMスピーカープロテクションシステムはシンプルで先進的なリミッターです。 制限された使用環境であってもサウンドクオリティを落とさずスピーカーシステムを保護します。アンプとスピーカーの組み合わせに対してシステムが正しく設定されている場合、LimiterMaxは入力が過負荷の状態が続いてもアンプをクリップさせません。
LimiterMax コントロール
LimiterMaxは独自のシグナルプロセッシング・アルゴリズムを利用して5つのユーザーコントロールを実現します。これらは完璧なプロテクションシステムとして”True RMS”と”Peak limiter”の両方に動作するように調整、コントロールされます。
MaxRMSレベルコントロールは最大のRMSレベル出力を設定することが出来ます。MaxRMSコーナーコントロールは設定したRMSリミッター値がかかる効果が微量を変化して変更することが出来ます。MaxRMSアタックとMaxRMSリリースコントロールはRMSリミッターへのアタックタイム、リリースタイムを調整します。
そしてMaxPeakレベルコントロールが最大のPeakレベル出力を設定することが出来ます。Peakリミッターのアタックタイムは瞬時に動作しリリースタイムがRMSリミッターのアタックタイムとリンクしており、2つのリミッター間でシームレスな移行を実現しています。

LimiterMax デモ
LimiterMaxの効果を理解していただく最適な方法は実際に体験していただくことですが、オーディオサンプルが参考になるかと思います。
最初のオーディオファイルはオリジナルのプログラムファイルでプロ用機材の8Ωアンプから出力された素材になります。このドラムループは、オーバーヘッド、スネア、キックドラムのそれぞれを複数のマイクで録音したものでエフェクト処理をしていない状態です。

以下のプレイヤーでオリジナル・リファレンスプログラムが再生されます。

次のオーディオファイルはサブウーファーのクロスオーバーを通した後の音になります。
低域のみに制限されたオーディオ信号がアンプに出力されています。
図4は、キックドラムの波形がどのように見えるかを示すオシロスコープの画面キャプチャです。 これは、アンプの出力で測定しました。(垂直スケールが35 V / divであることに注意してください)

ここで、ミックスコンソールの出力レベルを上げて、アンプのクリッピングポイントを超えた音です。
図5はアンプが過負荷状態になったときの同じソースの様子を示しています。

パワーアンプからの出力は明らかに歪んでいるのが確認出来ます。パワーアンプにとってもかなりの負荷がかかっていることが確認できます。パワーアンプがこのようなレベルを継続的に出力していると接続したスピーカーにも損傷が起こる可能性が高くなります。
このような状態でLimiterMaxを適用させてPeakレベルとRMSレベルを適切な時定数(値)でリミッターを適用します。MaxPeakレベルが設定されていると瞬間的なピークか抑えられ、アンプ部のトランスへの損傷(過負荷)を抑制します。(図6) MaxRMSレベルパラメーターはトランスがオーバーヒートして損傷しないように瞬間的なリミッターではなく常時適用しているにリミッター(保護)の働きをします。

今回のケースで確認出来るように、LimiterMaxはピークを越えたオーディオ信号(波形)が入力された状態でもピークレベルがパワーアンプのクリッピングポイントを超えないように信号を抑えます。図7は、青色が基準信号、赤色はクリップした信号、オレンジ色はLimiterMaxで設定された信号の比較を示しています。

最後に冒頭でもお伝えしたようにLimiterMaxTMスピーカープロテクションシステムはシンプルでありながらも先進的なリミッターです。 LimiterMaxは御社の財産でもあるスピーカーを保護しますが、それと合わせて厳しい過負荷(クリッピングが続く状態)でも優れたサウンドを提供します。
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